Test_社員インタビュー 開発職

社員インタビュー vol.1

○開発部
 課長
 大坂 裕和
 2026年入社

○品質保証部→品質管理部
 岡田 侑
 2026年入社

― 現在担当されているお仕事についてご説明いただけますか?

大坂

昨年入社し、開発部の課長職についています。
業務内容としては、アベルブラックの発色のための新技術や課題解決、また製造ラインで使われる技術を考えることです。
その工程で必要な設備の導入をしたり、クライアントの要望に応えるための試作も行っています。
私はマネジメント職ですので、メンバーの業務管理やKPIの管理、進捗をみながらサポートする業務になります。

もともと、先日お亡くなりになった居相会長と会社の基礎をつくられたベテランの職人さんがアベルブラックを作る技術を開発されました。
現在の技術はそれを基礎に確立してきたものなので、会社がこれからも成長を続けるために、その技術を使ってどのようにお客様のニーズにあったものを作っていくか、また数を増やしていくかということが課題になります。
今後は製品開発から量産を見込んだプロセスの設計が必要になってきます。

岡田

高校を卒業してから6年間品質管理で働いてきましたので、この分野には馴染みがありました。
品質管理とは、工程のなかで不良品を出さないように取り組んでいくこと、一方、品質保証とは不良品が出た時のお客様の対応をするのが主な役割です。
アベルブラックの生産量や製品の種類が増える一方で、製造手順が確立していなかったり、ベテランの方の勘に頼って製造していることが多いので、これから手順書を整備して品質を安定させるのが課題だと思います。

品質管理の魅力は、ものづくりの最後の砦だということです。
信頼を寄せていただける製品をつくるために、欠かせない役割を担っているということがこの仕事にやりがいを感じる点です。
前職はステンレスではなく、鋼に塗装する製品を扱っていました。やはり塗装は曲げると剥げたり、厚みで色が変わったり、金属らしい見た目も失われてしまいます。
その点、アベルブラックはステンレス特有の質感がありながら、加工に強くて剥がれにくいことが魅力です。

―アベル株式会社に入社する前、ステンレスにはどういうイメージがありましたか?

岡田

ステンレスは鋼にくらべて高級品というイメージがありました。ステンレスは耐食性もよく、ある程度加工もできるすごい材料だと思います。この会社のことを調べてみると、メッキでも塗装でもない方法で発色をしている。しかも、医療現場から宇宙工学業界で使われる部品も作っているというのを見て、さらに興味を持ちました。

大坂

ステンレスが想像したよりも小さくて薄い部品として使われていることが驚きました。それから高級なものに使われているということ。この前、展示会を行ったときに装飾品として、アベルブラックの素材そのものを展示したのですが、アーティスティックな環境に置いてあるだけでも違和感がないという印象を持ちました。そういった意味で、ラグジュアリーな空間や海外高級ブランドからの引き合いがあるのも納得が行きました。

― 開発部はどのような業務を担っているのでしょうか?

大坂

開発部には、新しいものを生み出す技術開発と既存の技術を使いこなす生産技術の両方の機能があります。今、生産技術のベテランの方と中堅、若手のメンバーが棲み分けをしながら動くようにしています。今までは開発業務を行っていたベテランの方が、同時にマネジメントも行っていたのですが、私が管理や打ち合わせといったメンバーの間を取り持つような業務を担うことで、今後どのようなチーム編成を行ったら良いかを考えています。

今の会社の課題は、今までベテランの方々が構築していった技術をどうやって継承していくかということです。創業に近い時代から技術を立ち上げてきた方で、化学、薬品、電気の知識もあって、プログラミングもできる本当にスーパーマンみたいな方なので、なかなかそういう技術をそのまま引き継ぐことが難しい。

クライアントとのやりとりは営業部を介して行うことが多いです。クライアントが作られたものを黒くできるかというのが主な相談内容です。営業部は開発部にどういった条件で、どこのラインを使うかなどの工程を相談しにきます。アベルの中で加工処理ができないものに関しては外部に委託します。生産技術のメンバーが図面を書いて、外部委託メーカーとやり取りをして技術の打ち合わせをして、発注するという流れで行っています。

― 実際に技術を開発した方の近くでお仕事ができるというのは素晴らしいことですね。岡田さんが、入社されてはじめて開発部に入られたときの印象はいかがでしたか?チーム内のコミュニケーションなど、何か気づいたことはありましたか?

岡田

開発部にはそれぞれ得意分野が違う人々がいるので、ひとりで何でもこなすのではなくて、それぞれの分野に詳しい人に聞くなど、お互い助け合いながら、課題を解決しているという印象がありました。ものづくりをしていて、品質異常が出たときなどは、ものを確認しながら、なぜそれが起こったのだろうという調査をしていきます。すべて自分で判断できたらよいのですが、やはりわからないこともあるので、今は開発部のベテランの方に聞いて、何が原因でそうなったのかを判断してもらうこともあります。

ひとつのラインのなかでは中堅の方が少ない印象ですが、安定してものづくりができるようにベテランの方と社歴の浅い方が助け合ってものづくりを行なっているという印象があります。

大坂

その日の業務内容の把握と共有のために朝礼を行なっているのですが、何かの課題があると2名のベテランの方を中心に話し合ったりする雰囲気があります。休み時間には割と課題についての意見交換をしたりしています。

今、どこの製造業にもあることかもしれないですが、ベトナムやインドなど海外から来た技能実習生がいます。開発部には正社員でも韓国人のメンバーがいるなど、多様性に富んだメンバー構成になっているのでコミュニケーションの問題や、そういった人たちにどういう役割を担って活躍してもらうかを考えなくてはなりません。

そういったベテランの方、外国人も含めて入社したばかりのメンバーという環境のなかで、安定したものづくりをしていくのはなかなか難しいことでもあります。日本人特有の考え方かもしれないのですが、呼吸や雰囲気を察してほしいみたいなものづくりをしてくると失敗することもあります。そのような環境で人数が増えると、生産が不安定になるリスクがあるのは、前職では経験していなかったことかもしれません。

― 環境の変化を受け入れながら、安定した開発業務を遂行するために、どんなことが大切でしょうか?

大坂 

これから会社が大きくなるにつれ関わる社員も増えていきます。そんななかで人によって手順が違う、品質に対する判断にゆらぎがあることがないように、ある程度標準化していくことが安定したものづくりにつながると思います。

私は前職に36年勤め、タッチパネルの開発と製造にまで関わってきました。国内外のクライアントとのお仕事に携わってきましたが、主な素材はプラスチックだったので、金属の知識はほとんどありませんでした。この会社に入社してから、一からステンレスについて学んでいったのです。アベルブラックの技術についての説明を聞いたときから面白い技術だなと思いました。と同時に、普段生活をするなかで、身の回りにはステンレス製品がたくさんあるのに、そのことを全く気にしたことがなかったことにも気がつきました。入社前はステンレスとは錆びないものというぐらいの知識しかなかったのですが、ステンレスひとつでもいろいろな種類があって、特性が違うので、黒くするときの発色条件も変わってきます。それによって製造ラインも変わってくる。今ではステンレスだけではなくて、他の金属についての興味も沸いています。

クライアントからの依頼で、すでにできている製品を黒く発色させることもあるのですが、研磨されていたり、切り出して形を作られていたり、力がかかっていたりというだけで黒の発色が変わってくる。そこが一辺倒ではないのですが、結構肌感覚で仕上げているところもあるので、今後、安定した生産を続けていくために、今まで積み重ねてきた経験を整備して標準化することを行っています。本当に奥深い技術で、これからももっと勉強していかなくてはならないと思っています。


30年以上前、前職に入社してから仕組みを一から作り上げた経験があったので、今は、どちらかというと昔に戻ったような感じです。そのときにシステム化したことを、今の仕事に当てはめることを目指していけば、安定的なものづくりがよりスムーズにできるのではないかという感覚はあります。

業界によって違いはあれど、ものづくりには大体基本的な動きのようなものがあります。ISO9000のような品質規格も仕組みを作って、標準化して、設計開発を行うという流れがあり、現場レベルだと5Sのような整理整頓がはじまるなど、そういった経験を振り返って、道筋を探し当てて辿ってみようと思っています。

技術はある程度確立されていても、今まで人ありきでやってきたところを、人員を増やして安定した量産を行うことで利益を上げていくためのシステムを作る。こうしたらできるだろうということがある程度、経験のある人たちの感覚に生きています。それを入社したばかりの方や技能学習性などと共有して同じ方向に向かっていけるかというのが今の課題です。

― 今、そのためにどのようなことを実践されているのですか?

大坂

ある程度経験のあるメンバーは前職で数多くの研修を受けてきています。どちらかというと今いるリーダーがまず標準的なものづくりの仕組みを学んでいるところです。業務のなかで説明する時間を取ったり、動画で学んだり、研修を受けたり、ベテランの方を講師にして勉強会のようなものをできればと考えています。製造部のメンバーも自社の技術を全く知らないのはもったいないと思うので、より興味を持って仕事をしてもらうためにそういった知識が必要だろうと考えています。

―岡田さんは、これから学びたいことはありますか?

岡田

そうですね。発色技術は実際にラインでやってみないと学べないので、勉強会などを設けて、技術を発明したベテランの方からお話しを聞ければ今後の業務にも活かしていけるのではないかと思います。今まで、加工は作業をする人の手の届く範囲でされていたのかと思うのですが、メンバーが変わったり増えたりすると、機械的にやっているだけになるので、そのままだと興味が薄れてきてモチベーションが保てなくなるのではないかと思います。

大坂

私はどちらかというと技術に興味があって、業務以外でも自分で調べたり、実験することが好きなので、そうして仕事の面白みのようなものを知ってほしいなと思います。仕事が常態化すると、理由を言わずにダメ出しをされることがあったり、問題を深く考えなくなることはあると思うんですよね。技術には原理原則があり、そこを問わないと何かトラブルがあったときに対処できなくなります。

大企業だとトラブルがあると、それを対処する担当の人が来るようなことがありますが、小規模な会社だと一人で何役もこなさないといけないことがあります。でも、そういう体制は必要だし、技術を学んでいくことで別の部署で活躍できるという自由があると思います。

私は工場の立ち上げから関わった経験があるので、規模がどんどん広がっていくことも経験しています。ところが広げれば広げるほど、知識も経験も煮詰まっていく。誰でも手順通りやればできるのは大切ですが、やはり面白くない。新しい発見がある小さい仕事が取れなくなっていきます。職人的な感覚や技術を残したほうがよりクリエイティブなものづくりができることが多いので、中小規模の企業の特徴を活かした体制を作っていきたいと思います。

― 小さいプロジェクトのメリットはなんでしょうか?印象に残っている試作などはありますか?

大坂

実際にクライアントがちょっと作ってみたいということに答える試作は結構作っています。新規開拓を目指すためにも、営業も試してみることをクライアントに提案しています。一つや二つを発色したり条件出ししていたことが何万個みたいな規模の仕事に広がるかもしれない。そうして道が広がっていくのです。内視鏡といった医療器具の部品から、宇宙工学関連のものまで、多様なものを手がけているのはその結果です。今、主な製品は自動車に関するものが多いのですが、やはりそれだけではいけないと思うので、いろいろな道を探していく。そのためには小回りが効くことが武器になっていくのではないかと思います。


今まで試作したもののなかで変わったものでいうと包丁がありますね。日本人って、包丁にそこまでデザイン性を求めたりしないと思うのですが、外国人の方にすごく人気があるらしいのです。あとはジッパーを黒くするというご依頼もありました。塗装されたジッパーって使っていると剥げるではないですか。アベルブラックではそういうことがないので、海外の高級ブランドなどに興味を持ってもらえたりするようです。私も、家族に仕事の説明をするときに、こういう日用品のことを話すと分かってもらえる実感があるので、対外的な会社の知名度が上がることにもつながるのではないかと思います。まずは、世の中にあるステンレス製品を全部黒にしていくような地道なアーカイブができれば、いろいろ応用が効くのではないかと思います。そのようにして具体的な提案を出していくことで、現実的な仕事につながるのではないでしょうか。

岡田

今は、目に見えないところに使われていることが多いのですが、アベルブラックは素材の質感を素直に見せながら発色していることが特徴のひとつだと思うので、デザイン性があるものにも使うことができると思います。特に、完成品に直接発色できるということも。

大坂

発色の方法には電解と浸漬という電気を通さない方法があります。もともと浸漬のほうが時間がかかるのですが、いろんな製品に応用が効くので混み合っているのが現状です。ラインによって場所を分けたり、あとは薬品を使う仕事でもあるので、自動化も視野にいれていますが、スペースや予算のことも考えないとなりません。

先ほどお話ししましたが、道筋がある程度見えているので、持続化のために広げようと思えば、いろいろな方向に広げることができる。その点、やりがいがあるなと思っています。私が転職してよかったなと思うのはそこなんです。規模が大きくなっていくと、分業化していって役割から脱却できない、違う部署が何をしているのかわからない、現場に入れないというのもあるのですが、ここではそういうことはありません。そういう意味での仕事の自由さ、これからやるべきこと、やれることがたくさんあるので面白く感じています。

― これからやってみたいことはありますか?

岡田

ぜひ勉強会を開いてもらいたいですね。自分の仕事に興味をもって、どんな理屈でものが作られているのかを知れたら、何かトラブルが起きたときに対応できたり、そういう興味が新しい技術や製品につながっていくこともあるかもしれません。意外とラインの人って、理屈がわからずにやっている人もいるかもしれないので。月一回、部署に限らずにこの時間に来たらだれでも参加できるというような。

大坂

前職では私も人材育成をするための施設を作って、指導員をしていました。大規模な生産をするようになると、ボタンを押してものが出てくるという流れになっていくなか、実際に手で触れることで、なぜそういう理論になっているかがわかる。そういう育成のプログラムをやってみたいですね。

― なるほど、学び続けることをみなさん希望されているということですね。この仕事にはどういう方が向いているとかありますか?

大阪

アベルブラックは薬品を使い、電気を流して黒くしているので、化学的な知識が役立つと有利なことはあると思います。ただ、私も本当に何も知らないところから入ってきましたが、自分が知ろうと思えば、みんな周りのベテランの方がしっかりと教えてくれるのです。今なら、インターネットやAIを駆使して自分で知識を得て、成長していくこともできると思います。そういう意味で、業界やスキル、知識や経験にこだわらなくても活躍できるのではないかと思います。

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